新書、文庫で勉強する日本史

新書や文庫本で日本史の勉強を始めています。まだまだ入門者だと自覚していますが、私と同様の入門者の方や、高校生、大学生の参考になればと思っています。

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『ニコライの見た幕末日本』(講談社学術文庫)

ニコライの見た幕末日本』(講談社学術文庫)を読んだ。

著者ニコライ=カサートキンとは、ロシア人で、幕末から日本に来て、ロシア正教を布教した人物である。あの御茶ノ水の「ニコライ堂」という名称は、この著者ニコライにちなむものだ。

この本に訳された論文は、ニコライが1861~1869年の日本滞在の後、「ロシア報知」に掲載されたもので、原題は「キリスト教宣教団の観点から見た日本」だそうだ。
神道や仏教などの記述が多い。ロシア人宣教師が、当時の日本を、また日本の宗教状況をどのように見、同国人に説明しようとしたのか、よくわかる。

【気に入った一節を抜粋】
民衆は、自分たちの間に行われていた秩序になおはなはだ不満であったというのだ! 商人はあれやこれやの税のことで不満を言い(実際にはその税は決して重くはないのだ)、農民は年貢の取り立てで愚痴を言う。また、誰もかれもが役人を軽蔑していて、「連中ときたら、どいつもこいつも袖の下を取る。やつらは碌でなしだ」と言っている。

ニコライの見た幕末日本 ニコライの見た幕末日本
ニコライ (1979/05)
講談社
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今谷明氏の『武家と天皇-王権をめぐる相剋』(岩波新書)

今谷明氏の『武家と天皇王権をめぐる相剋』(岩波新書)を読んだ(読み返した)。


 おなじみ、今谷明氏の、なぜ天皇家は滅ぼされなかったのかシリーズの一冊。
 この本では、秀吉、家康以下の徳川幕府の、対天皇政策が明らかにされている。



 秀吉は、第三章のタイトル「秀吉の“王政復古”」にも明らかなように、天皇の権威を利用して天下人になったらしい。
 対して、家康は天皇の調停を拒絶して豊臣氏を滅亡させるのだから、もう一息だったのではないか。家康の神格化(東照大権現に祭る)に際して天皇の権威に頼らずを得ず、また、後に続く徳川幕府の面々が不甲斐ない…(-_-;)



 いや、天皇一族は滅びない。伝統と言うものの力か。


序章 「俄の御譲位」事件
2 秀吉はなぜ関白となったか―統一戦争と天皇
3 秀吉の“王政復古”-天下一統の論理とは
4 家康政権の“天下分け目”-関ケ原と大坂陣の間
5 宗教的権威への挑戦-神号と紫衣をめぐって
6 女帝騒動-後水尾天皇の反撃
終章 王権回復への道

武家と天皇―王権をめぐる相剋 武家と天皇―王権をめぐる相剋
今谷 明 (1993/06)
岩波書店
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犬養道子さんの『ある歴史の娘』

犬養道子さんの『ある歴史の娘』を途中まで読んだ。
犬養道子さんは、1931年の5・15事件で襲撃された犬養毅首相の孫である。1921年生まれとのことなので、5・15事件当時は10歳前か。
この本を書いたのは、「あとがき」に1977年の日付があることから、50代後半の頃かと思われる。

おませなお嬢さんだったようだ。
また、50代後半になっても、その気質には少女っぽさを残しているようで、本書にあまり歴史の勉強のためと思って期待すると外されるかもしれない。
出版元である「中央公論社はそのころ、昭和史をめぐる書物に力をいれはじめていた」ので、著者に執筆依頼もあったのだろうが、「中央公論社の狙いとはうらはらに、私は、書くなら、ただならぬ歴史の綾にまといつかれたひとりの少女の、魂の形成はどのようにして成されたか、そちらの方に重点を置いてみたかった」とのことである(p.543)

一応の昭和史の勉強の後に、息抜きに読む程度がいいのかもしれない。
例えば、石原莞爾などの認識など(p.277~)、まさに典型的な単純素朴のものであって、ご本人の「私は歴史学徒の名にすら値しないアマチュアである」(p.22)というとおりである。
ただ、例えば、学習院出身者の人間関係(p.123~)などは無下に否定することもできないだろうから、参考になる部分はあるだろう。
そうは言っても、この文体、執筆意図からして、相当の資料批判をしないと、これは歴史資料としては使えないだろう。
息抜きに読む程度がいいのかもしれないという所以である。


ある歴史の娘 ある歴史の娘
犬養 道子 (1995/12)
中央公論社
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NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」の「第41回~庭師・北山安夫~」

NHKプロフェッショナル 仕事の流儀」の「第41回~庭師北山安夫~」(2月15日放送)を見た。

http://www.nhk.or.jp/professional/backnumber/070215/index.html

「大事なのは思いやりだ」とか、「愛」だとかと言われるのには参ってしまったけど、その仕事振りと人柄には感心し、また共感を抱いた。
それにしても、この方は、言語表現がなあ(^_^;)
たぶん、取材する方が時間をたっぷりかけて、またその仕事の評価も一般的な話ではなく、専門的なところに入り込んで行けば、本当の北山安夫氏の問題意識や哲学も見えてくるのではないだろうか。
今回の番組の「大事なのは思いやりだ」とか、「愛」だとかの言語表現(^_^;)は、決して北山安夫氏を描ききっていない。
是非、誰か、この平成時代有数の(たぶん)庭師北山安夫を十分に描く本なり、番組なりを作ってほしい。

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黒田日出男氏の『謎解き洛中洛外図』(岩波新書)

謎解き洛中洛外図 謎解き洛中洛外図
黒田 日出男 (2003/03/20)
岩波書店
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黒田日出男氏の『謎解き洛中洛外図』を読み返した。
改めて、これは傑作だと思う。
このブログは、新書や文庫本で日本史を勉強しようという趣旨なのだが、正に題材としてピッタリの本だ。日本史に興味を持つ高校生や大学新入生には、是非お勧めしたい。
黒田氏も「本書における謎解きが、歴史とか日本史はしょせん暗記物ないしは物知り的知識にすぎないといった、世間や生徒・学生の思い込みを払拭するのにすこしでも役立てば、とてもうれしい」と述べている(p.11)。

洛中洛外図というのは、「洛中・洛外つまり京都とその郊外の景観を描きだした絵画」であり、戦国時代から安土桃山時代までに製作された、いわゆる「初期洛中洛外図屏風」の中で最も重要なものが、米沢藩上杉氏に伝わった「上杉本洛中洛外図屏風」である。

① いつごろ製作されたか
② 作者は誰か
③ 注文主は誰か
④ 誰がいつごろ、上杉謙信にこの屏風を贈ったか
という謎を、黒田氏はものの見事に解いてみせる(正解かどうかは議論があるところだろうが)。
その謎解きの過程によって、実に日本史の研究の過程とはこうあるべきものだということが示されている。このプロセスを案内してもらい、知ることができる本書は、本当に傑作だと思う。

ところで、この上杉本洛中洛外図屏風の成立事情などの論争については、私の尊敬する今谷明氏が大きく影響したそうだ。今谷氏の主張は否定されるのだが、黒田氏の否定の仕方が、礼を失せず、かつ阿らず、うれしかった。

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このごろ、読もうと思っている本

このごろ読もうと思っている本は以下のとおり。

大悲の海に覚鑁上人伝 新潮文庫 著者/訳者名 津本陽/著 出版社名 新潮社 (ISBN:4-10-128009-6)

近江商人 現代を生き抜くビジネスの指針 中公新書 1536 著者/訳者名 末永国紀/著 出版社名 中央公論新社 (ISBN:4-12-101536-3) 発行年月 2000年05月

昭和史 新版 岩波新書 青版 355 著者/訳者名 遠山茂樹/〔ほか〕著 出版社名 岩波書店 (ISBN:4-00-413130-8) 発行年月 1979年00月

日本の地名 岩波新書 新赤版 495 著者/訳者名 谷川健一/著 出版社名 岩波書店 (ISBN:4-00-430495-4) 発行年月 1997年04月

平安朝の母と子 貴族と庶民の家族生活史 中公新書 1003 著者/訳者名 服藤早苗/著 出版社名 中央公論社 (ISBN:4-12-101003-5) 発行年月 1991年01月

国定忠治 岩波新書 新赤版 685 著者/訳者名 高橋敏/著 出版社名 岩波書店 (ISBN:4-00-430685-X) 発行年月 2000年08月

百代の過客 日記にみる日本人 著者/訳者名 ドナルド・キーン/著 金関寿夫/訳 出版社名 朝日新聞社 (ISBN:4-02-255318-9) 発行年月 1984年12月

ファイナルファンタジー11 プレイ日記 ヴァナ・ディール滞在記 著者/訳者名 永田泰大/著 出版社名 エンターブレイン (ISBN:4-7577-1427-0) 発行年月 2003年05月

日本の歴史 11 戦国大名改版 中公文庫 巻の著者名 杉山博/著 出版社名 中央公論新社 (ISBN:4-12-204508-8) 発行年月 2005年03月

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NHK『プロフェッショナル』の「出過ぎた杭(くい)は誰にも打てない~コンピューター研究者・石井裕」

 NHKプロフェッショナル』の「出過ぎた杭(くい)は誰にも打てない~コンピューター研究者・石井裕」(2月8日放送)を見た。
 石井さん、すごいわ(^_^;)

http://www.nhk.or.jp/professional/backnumber/070208/index.html

 ご自分が仰るように凡人なのかどうかはわからないが、少なくともこういう努力をするんだろうなあ。天才とか人類に貢献する人とかは。
 私もこういう努力をしたい、と思わせる番組だった。
 久しぶりに熱くなって、負けないぞ、と思ってしまった(^_^;)

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田中貴子氏の『室町お坊さん物語』(講談社現代新書)

室町お坊さん物語 室町お坊さん物語
田中 貴子 (1999/06)
講談社
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 田中貴子氏の『室町お坊さん物語』(講談社現代新書)を読んだ。
 室町時代に播磨の国の書写山(しょしゃざん)の鎮増(ちんぞう)という天台僧の残した『鎮増私聞書』(ちんぞうわたくしききがき)などを基に、田中貴子さんが鎮増になりきって書いたもの。
 戒律のことや直談という中世仏教の様子などがわかる外、足利義満~義持~義教の間の政変の雰囲気も感じられる。
 とは言え、やはり鎮増という室町期の僧侶になって書くというのは、無理があったように思う(^_^;)

第1章 鎮増というひと
第2章 円頓戒復興
第3章 法華経直談
第4章 時代の目撃者として
第5章 戦乱の世に生きて
第6章 鎮増と書写山の周辺

【気に入った一節を抜粋】
若いときは誰でも料簡不足です。でも、そういうときに出会った辛い出来事は、その人を一生苦しめるのではないでしょうか。そしてまたその苦しみがあるゆえに、人はその後をよりよく生きようとするのではないでしょうか。

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「ガイアの夜明け」の「家があなたを壊すとき ~シックハウス・化学物質過敏症と闘う~」

「ガイアの夜明け」の「家があなたを壊すとき ~シックハウス・化学物質過敏症と闘う~」(2007年2月6日放送)を見た。
http://www.tv-tokyo.co.jp/gaia/backnumber/index.html
 化学物質過敏症の大変なのはわかったが、それよりも気になったのは、番組でシックハウスや化学物質過敏症に苦しむ家族として紹介されていたご家庭のお嬢さんの人柄だった。ご両親にも一部感じたのだが、年長者への言葉遣いなど、違和感が残った。ご両親もお嬢さんも大変なご苦労をされているのだろうが、どのように生きていかれるべきなのだろうか。
 NHK特報首都圏の「心の声聴く医師に ~聴覚障害者の挑戦~」(1月19日(金)放送)での帝京大医学部の大石さんがほとんど無条件に心を打ったのに対して、なぜ、このお嬢さんは人の心を乱すのだろうか。
 表面的には、謙虚さというものかもしれない。それをもう少し言えば、化学物質過敏症が未だ社会的に十分理解されていないことへの戦いの姿勢かもしれないし、権利意識の旺盛なのかもしれない。
 化学物質過敏症というよりも、人生の生き方について考えさせられた(当然、答えは出ない)。

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北方謙三の『武王の門』(上・下)(新潮文庫)

武王の門〈上〉 武王の門〈上〉
北方 謙三 (1993/08)
新潮社
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武王の門〈下〉 武王の門〈下〉
北方 謙三 (1993/08)
新潮社
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 北方謙三の『武王の門』(上・下)(新潮文庫)を読んだ。
 南北朝時代の後醍醐天皇の皇子と言えば、大塔宮親王が有名だが、九州に送られた懐良(かねよし)親王もなかなかの人物だったらしい。征西大将軍として九州征討と統一をめざす懐良(かねよし)親王と、それに仕える菊池武光がスーパーヒーローとして描かれる。小説だから、「男の夢と友情のドラマ」も描かれる(^_^;)
 実は、網野善彦氏の『歴史と出会う』(洋泉社新書y)を読んでいて、網野善彦氏と北方謙三さんの対談があった(p.120)。
北方謙三さんは元はハードボイルド小説を書いていた方らしい。網野氏が「私は一気に読み、たいへん楽しませてもらいました」というので、私も読んでみた。
 私も一気に読み、たいへん楽しませてもらった。確かに、面白い。
 少弐、大友、島津、という九州三人衆の他、一色などを敵として、懐良(かねよし)親王と菊池武光による征西府が困難辛苦の末、ほぼ九州を制圧する。また、倭寇の支持を得て経済的基盤とすると共に、懐良(かねよし)親王自身が倭寇を率いて明の水軍を撃破する、などという見せ場まである。今川了俊が九州探題となって制圧されるのは、菊池武光が急死したため、という設定だ。
 南北朝時代の九州の情勢を感じるのによいと思う。

歴史と出会う 歴史と出会う
網野 善彦 (2000/05)
洋泉社
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隆慶一郎の『吉原御免状』

吉原御免状 吉原御免状
隆 慶一郎 (1989/09)
新潮社
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 隆慶一郎の『吉原御免状』を読んだ。
 確かに、はらはらどきどきというのか、面白くて一気には読んだのだが。
 柳生だの宮本武蔵だの、吉原だの。
 しかし、なんだか安易な気がする。

 実は、網野善彦の『歴史と出会う』を読んでいて、その中に、「歴史と小説の出会い」という章があり、隆慶一郎が褒められていたので、それでは一度読んでみようと思ったのだが。
 無縁公界とかいうののイメージがこれでいいのか、どうも疑問が残った。

歴史と出会う 歴史と出会う
網野 善彦 (2000/05)
洋泉社
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梅田望夫氏の『ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる』

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる
梅田 望夫 (2006/02/07)
筑摩書房

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 梅田望夫氏の『ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる』を読んだ。
 ちょうど、この本を読んでいるときに、NHK特集で「“グーグル革命”の衝撃 あなたの人生を“検索”が変える」(1月21日)を放送したので、楽しみにして見たのだが、NHKの方の内容が浅薄に見えてしまった。
 いい本だと思う。
 まさに時代が変容しつつあるときに、その現場で書いた本ということで、何年か経って旬が過ぎたときにも価値は残るだろうと思う。
オープンソース、チープ革命、インターネットの三題話から始まり、納得させられた。

著者の、若い人たちと話をしたいという姿勢にも感心した。

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