新書、文庫で勉強する日本史

新書や文庫本で日本史の勉強を始めています。まだまだ入門者だと自覚していますが、私と同様の入門者の方や、高校生、大学生の参考になればと思っています。

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永井路子さんの『波のかたみ―清盛の妻』(中公文庫)

 永井路子さんの『波のかたみ―清盛の妻』(中公文庫)を読み返している。

 1156年の保元の乱から、1185年の壇ノ浦の平家滅亡までの時代を、平清盛の妻である時子の視点で描いた小説である。
 この著者の小説で微笑ましいというか、そりゃこの方が合理的だと同意したいのが、しばしば系図を挿入することだ。作家によっては、複雑な系図を、小説だからというつもりなのか、本文の言葉で説明しようとするが、こんなふうに系図で処理してもらうほうがずっと読者にとってわかりやすい。
 例えば、保元の乱、平治の乱(1159年)の対立構造もわかりやすい。
 保元の乱は、1156年7月に鳥羽法皇が崩御してすぐに、兄弟である(少なくとも系図上では)の崇徳上皇と後白河天皇の対立に、これまた兄弟である藤原忠通(ただみち)と頼長(よりなが)の対立が加わり、後白河天皇・忠通(ただみち)グループが勝利したものだ。
 平治の乱は、保元の乱の後に権勢を振るっていた藤原信西を、①後白河上皇の寵臣の藤原信頼(のぶより)、②後白河上皇の子である二条天皇の近臣である藤原経宗(つねむね)、惟方(これかた)が、源義朝を使って、襲い、まず信西滅亡。次いで、熊野詣に出掛けていた平清盛が帰京し、①と②のグループの離反の機に①を滅ぼす。また、その後の後白河と二条の対立の中で、②が流罪となり没落。結果、清盛の時代が廻ってくる。
 1180年、源頼朝が挙兵し、翌1181年に清盛が死去し、1185年の壇ノ浦の平家滅亡となるのだが、この12世紀後半というのは、トーナメント戦を戦っているようだ。優勝は源頼朝、準優勝が後白河、清盛はベスト4まで行った、というようなイメージか(^_^;)

 小説だから、その平家のベスト4進出の様子を面白く、読みやすく、描いている。
 時間に余裕があれば一読をお勧めする。
 永井路子さんの作品としては、『美貌の女帝』が最も感心した。それよりは落ちるようにも思うが、『北条政子』よりはこちらがいいように思う。


波のかたみ―清盛の妻 波のかたみ―清盛の妻
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